研究テーマ:『多文化共生を実現する方策:留学生と日本人学生の間に「多文化共生」の関係性を構築することを通じて』
国際共修授業において学生間に多文化共生の関係性を構築するとは、「学生一人ひとりが国籍や言語、性別の違いに拘わらず、他者との共通点・相違点を理解しながら、一人ひとりの人権を尊重し、相手を受け入れ、さまざまな差異を調停し、自文化を組み換え、対等な立場で、当事者意識を持って積極的に授業に参加し共に学んでいる状態」を作り出すことであると考えています。
私はこれまでの研究において、国際共修授業において多文化共生を実現する方法について、学習環境条件という観点で考察をするとともに、学習テーマとして「人権」と取り上げる意義と効果について、実証研究を重ねてきました。国際共修授業では、多様なバックグラウンドの学生に、議論を始めるきっかけが必要であり、人権がその切り口になりうること、またクラス内で人権という柱が必要であり、人権を通じて学生間に関係性が構築されることを実証してきました。それだけでなく、国際共修授業での人権教育の効果は、人権の知識の深化、技能や態度の向上にもつながります。
今後は、日米英の人権教育に関する比較研究を行って、普遍的な人権教育プログラムを提案していきたいと考えています。